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プログラミング基礎編〜2つの基本ルールを知る
なでしこが理解できる日本語とは
前のコーナーでは、簡単なプログラムの動作を確認しました。次は、なでしこプログラムを書くときに欠かせない、基本中の基本ルールを確認してみましょう。

でも、なでしこってすごいですよね。日本語でプログラムを書けば、なんでも動いちゃうんでしょ。
これなら、おじいちゃんでも子供でも、プログラムを作れちゃいますよね。

うーん。どんな日本語でも動くというのは、ちょっと違います。
たしかに、なでしこでは、日本語の文章のようにプログラムを書くことができます。でも、どんな日本語でも動く、というわけではありません。
「ホラ、何とかしといてヨ、あそこのアレを」というような不明瞭な指示や、単語を並べただけでは、動作しないのです。

ですから、今のところプログラムを動作させるためには、利用者が一定のルールにしたがって、プログラムを書いてやる必要があります。
そのルールって、むずかしいんですか?

それほど、むずかしくはありませんよ。たった2つの簡単なルールを覚えるだけで、とりあえずプログラムを作り始めることができます。
ものすごく単純な例を見ながら、順を追って理解していけば、それほど複雑には感じないと思います。

プログラムを実行したのに、エラーメッセージが・・・
先ほどの「はじめてのプログラム」では、こんなプログラムを動かしました。

「こんにちは」と言う。
これで、「こんにちは」というWindowsっぽいダイアログが出てきました。たった1行ですが、これも立派ななでしこプログラムです。

じゃあ、これをこんなふうに書きかえても動きそうですね。

「こんにちは」としゃべる。
うーん。これを実行すると、次のようにエラーメッセージが表示されますネ。


*エラーメッセージが表示された
エラーメッセージと言われても、難しいことが書いてあって、どうしたらいいのか分かりません・・・

"エラーメッセージ"というのは、プログラムの実行に失敗したとき、「こんなふうに失敗しましたヨ」となでしこから伝えられる返事です。これを読むと、どこで失敗したのか、どんなふうに失敗したのか、ある程度理解できます。
今回の場合は、そんな難しい情報が読みとれなくても、とりあえず失敗したことが分かればいいでしょう。

でも、先生。このプログラムは、どうしてエラーになったんですか・・・

ルール1:あらかじめ登録されている命令を使う。
さて、「しゃべる」は、「言う」と同じような意味ですが、なでしこプログラムとしては実行できません。なでしこは、あらかじめ登録してある言葉しか、命令として使えないのです。

だから、あらかじめ登録してある「言う」は使えても、登録していない「しゃべる」だと、エラーになってしまうんですね。

そのとおりです。

なでしこには、1000個以上の命令が用意してあります。でも、辞書に載っている言葉と比べたらずっと少ないですよね。よく似た意味の言葉があっても大半はひとつしか登録していないためです。
ですから、なでしこがどのような命令を持っているのか、ある程度理解しておいたほうがいいでしょう。

それだと、使いたい命令を見つけるのが、大変そうですね。

とはいえ、命令は用途に応じて分類してありますし、見つけるのはそれほどむずかしくありません。また、新しい命令を自分で登録することができるので、用途に応じて追加していけば、分かりやすくできるでしょう。

ルール2:つなげる言葉は、命令ごとに決まっている。
では、次のプログラムを試してみましょう。

「こんにちは」と表示
これは、「こんにちは」をウィンドウに表示するプログラムです。


*「こんにちは」をウィンドウに表示
先生、こんなふうに書いたのですが、エラーになりました!

「こんにちは」で表示
ふーむ。動作した場合とエラーになった場合の違いをよく見てください。

あ、わかった! 命令は同じですが、つなげる言葉が「と」ではなく「で」になっていました。

表示したい言葉"こんにちは"と、命令"表示する"の間の"つなぎ言葉"が違っているのですね。このような"つなぎ言葉"を助詞と呼びます。
実は、なでしこでは、命令ごとに使える助詞が決まっています。「表示する」の場合は、「と」だけでなく「を」も使えます。次のプログラムは、どちらも同じ意味になります。

「こんにちは」と表示
「こんにちは」を表示
でも、次のプログラムのように、「で」という助詞は「表示」命令には用意されていないので使えません。

「こんにちは」で表示 //これはバツ
日本語としても、ちょっと違和感がありますね。

以上、なでしこの基本ルールを説明しました。
なでしこでプログラムを書くときは、この2つの基本ルールを意識しましょう。

 ・ルール1:あらかじめ登録されている命令を使う
 ・ルール2:命令ごとに決まっている、つなげる言葉(助詞)を使う
なでしこの命令を探す方法
先生、命令や助詞は、どうやって確認すればいいんですか?

それには、なでしこエディタの左タブを使います。ここに「命令一覧」や「命令検索」といった機能があります。
なでしこには、1000個以上の命令がありますから、それを全部暗記することは大変でしょう。そこで、このような機能を使って命令や助詞を確認します。


*なでしこエディタの左タブにある、「命令一覧」や「命令検索」で命令を確認する
じゃあ「命令一覧」は、どんなふうに使うんですか?

これは、なでしこの命令を種類ごとに分類したものです。
上下に分かれていて、上欄に命令の種類を表示し、下欄に実際の命令を表示します。上欄の「+」記号をクリックすると、大分類を展開したり、分類内の命令を表示できます。

たとえば、「言う」命令はどうやって探すのですか?

「言う」命令は、「システム」-「基本命令」として分類されています。
ですから、「システム」の前にある「+」記号をクリックし、それから「基本命令」を選択すると、下の欄に該当する命令が表示されます。
ほら、ここに「言う」命令がありますね。


*「言う」命令を確認する
命令ごとの助詞を確認する方法
では、「言う」命令の助詞を確認するには、どのようにするんですか?

「命令一覧」の下欄に表示された「言う」命令をクリックすると、なでしこエディタの一番下に、命令の説明が表示されます。

【名前】言う (いう)【引数】{文字列=?}Sを|Sと【説明】メッセージSをダイアログに表示する。

*「言う」命令をクリックすると、ウィンドウ下に説明が表示される
ここで、「【引数】」のところを見てください。「Sを|Sと」とありますよね。これで、「を」と「と」が助詞として使えることが分かります。

これなら、命令さえ見つかれば、簡単に使える助詞を確認できますね。

でも、一番簡単な方法は、表示された命令をダブルクリックすることでしょう。
たとえば「言う」命令をダブルクリックすると、なでしこエディタのプログラム記述欄に、"Sを言う"というように、プログラムの雛形が自動的に入力されます。


*「言う」命令をダブルクリックすると、雛形が挿入される
こっちの場合は、Sのところだけ書き直すだけでいいですね。

なでしこ学習のコツ
それでは、さっそくプログラムを作って見たいと思います。でも、私の作りたいプログラムにどんな命令が使えるのか、よくわかりません。

そうですね。
最初は、基本的なサンプルプログラムをひととおり眺めてみるのが、良いと思います。
なでしこにサンプルプログラムが多数付属していますし、インターネットなどで解説が多数公開されていますから、目的に応じて参考にするといいでしょう。

 ・なでしこサンプルプログラム なでしこに付属のサンプルプログラム集
  C:\Program Files\nadesiko_lang\sample

 ・日経PCオンライン
 ・マイコミ ジャーナル
 ・ユーザーズWiki
いっぱいあって、ビックリしました。これなら、参考になるものが何か見つかりそうですね!

このチュートリアルでも、引き続き、基本的なテクニックについて説明していきます。

では、基本的なサンプルプログラムをひととおり眺めて行きましょう。

また、本講座では、プログラミング初心者の方をターゲットにしていますので、もっと、サクッっと文法について学びたいという方は、以下を参考にしてください。

■しらたまさんの「なでしこ基礎文法最速マスター」
■catchさんの「なでしこ構文の基本的な解説を簡潔に記載する



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